2025年8月23日、福島県南会津町の田出宇賀神社(たでうがじんじゃ)を参拝しました。会津田島駅から徒歩圏内にあり、毎年7月には国指定重要無形民俗文化財の会津田島祇園祭が行われることで知られる神社です。今回は境内の様子や御朱印、そして地域とのつながりを中心に紹介します。

田出宇賀神社の概要と歴史
田出宇賀神社は、南会津町の中心に鎮座する歴史ある神社で、創建は鎌倉時代の文治年間(1185〜1189年)にさかのぼると伝えられています。
主祭神は五穀豊穣の神である宇迦之御魂命(うかのみたまのみこと)をはじめ、天照大日命、須佐之男命、和久産霊命など複数の神々を祀り、地域の鎮守として信仰を集めてきました。
社名の「田出」は、田んぼの中から泉が湧き、そこから神が現れたという伝承に由来しています。境内には熊野神社も並んで祀られ、二社一体の社殿構成が特徴的です。

町のシンボルでもある大鳥居をくぐり、白い鳥居を抜けると正面に木造の拝殿が姿を見せます。精巧な彫刻や立派な注連縄が目を引き、長い歴史と格式を感じさせる佇まいでした。
境内と参拝の様子
田出宇賀神社の境内は、落ち着いた雰囲気の中に地域の歴史を映し出すような佇まいが広がっています。拝殿の前に立つと、木の香りとともに長い年月を感じさせる荘厳な空気に包まれました。

拝殿の周囲には、石灯籠や記念碑が点在し、参拝者を静かに迎えてくれます。境内は清掃が行き届いており、地域の人々が大切に守っていることが伝わってきました。

静かな境内に立つと、都会の喧騒とは無縁のゆったりとした時間が流れ、旅の疲れを癒してくれるようでした。
田出宇賀神社の御朱印とその魅力
参拝後は、境内の社務所で御朱印をいただきました。田出宇賀神社の御朱印は、墨書の力強さが印象的で、旅の思い出としても特別な一枚になります。

中央には大きく「田出宇賀神社」と書かれ、太く勢いのある字が紙面いっぱいに広がります。その周囲には赤い朱印が押され、堂々とした風格を漂わせています。
この御朱印は、一文字一文字に力がこもっているようで、シンプルながらも強い存在感を放っています。他の神社の御朱印と比べても特徴的な書風で、南会津ならではの個性を感じました。
また、社務所では御朱印のほか、お守りや絵馬も授与されており、参拝の記念品を求める人にもおすすめです。

御朱印を手にした瞬間、旅の記憶が鮮やかによみがえり、南会津を再び訪れたい気持ちが強くなりました。
会津田島祇園祭と地域文化
田出宇賀神社は、毎年7月22日から24日にかけて行われる会津田島祇園祭の舞台としても知られています。鎌倉時代に始まったとされるこの祭りは700年以上の歴史を持ち、昭和56年には国の重要無形民俗文化財に指定されました。
祭りの期間中は、神輿渡御や稚児行列が町を練り歩き、華やかな屋台歌舞伎や伝統の「七行器行列(ななほかいぎょうれつ)」など、独自の神事や芸能が繰り広げられます。
祇園祭は、町内を9つの組に分けて当番を務める「お党屋制度」で支えられており、地域の人々が代々受け継いできました。その姿は、神社と地域社会が強く結びついてきた証でもあります。
現在も地元住民の心の拠り所であり、訪れる人々に南会津の文化の奥深さを伝えてくれる祭礼です。祇園祭の時期に合わせて参拝すれば、日常の静かな境内とはまた違った賑わいを体感することができます。
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