2025年6月28日、快晴の朝に尾瀬沼(おぜぬま)を歩きました。尾瀬ヶ原と迷った末、大清水登山口から尾瀬沼ルートを選択。駐車場は到着時にほぼ満車で混雑を覚悟しましたが、歩き始めると驚くほど静かな道中でした。木漏れ日が揺れる森、湖畔をなぞる木道、澄んだ空と心地よい風が広がり、人が少ないことで、かえって“尾瀬らしさ”を感じるひとときでした。
今回歩いたのは、大清水〜一ノ瀬〜尾瀬沼ヒュッテ〜沼尻〜三平峠〜大清水に戻る周回コースです。 全体の歩行距離は約14kmで、所要時間は休憩を含めておよそ6時間。 アップダウンは控えめですが、後半にはじわじわと足に疲労がたまるロングコースでした。
この記事では、豊富な写真を交えながら、実際の行程を詳しくご紹介します。「尾瀬沼を静かに散策したい」「尾瀬ヶ原との違いを知りたい」とお考えの方にもぴったりの内容です。
駐車場は満車寸前!尾瀬沼ハイキングのスタートは大清水から
2025年6月28日(土)の午前9時過ぎ、尾瀬ヶ原方面の戸倉駐車場を通過した際には、すでに「満車」の表示が出ていました。週末ということもあり、登山客の多さはある程度覚悟していましたが、それでも予想を上回る混雑ぶりでした。私はそのまま、尾瀬沼登山口である「大清水(おおしみず)」へと車を走らせました。

大清水の駐車場に到着したのは、午前9時20分ごろでした。すでにほとんどのスペースが埋まっており、運よく最後の一角に停めることができました。車を降りると、標高1,200メートルの空気はひんやりとしていて清々しく、さっそく山の気配を肌で感じました。あたりは木々に囲まれ、まだ人の声よりも鳥のさえずりの方がよく響いていました。
登山口のすぐそばには、関越交通の「大清水バス停」があり、登山ルート中継地点である「一ノ瀬休憩所」まではシャトルバスも運行されています。私は迷わずこのバスを利用することにしました。片道1,000円で、所要時間はおよそ15分。歩くと1時間はかかる林道を、朝の体力を温存するためにも一気に短縮できるのはありがたいです。



バスのりばのすぐ隣には、「大清水休憩所」があります。2021年にリニューアルされた木造の施設で、観光案内や掲示板、バリアフリー対応の清潔な水洗トイレが整備されています。館内には登山者が記帳する登山届のスペースや、休憩用のベンチもあり、ひとり旅でも不安を感じることはありませんでした。

駐車場の混雑から、混み合う登山道を想像していましたが、いざシャトルバスに乗り込み、一ノ瀬で降りて歩き始めると、驚くほど人が少なく感じました。すれ違う登山者もまばらで、森の中に一人、足音と風の音だけを感じながら進んでいきます。そんな静かな始まりが、この日の尾瀬沼ハイキングの印象を決定づけることになりました。
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シャトルバスで一ノ瀬休憩所へ|登山口の静かな朝
シャトルバスで大清水から一ノ瀬休憩所へ移動すると、そこには山深い静けさと、すがすがしい空気が広がっていました。車を降りると、まず聞こえてくるのは近くを流れる沢の音と、木々の葉を揺らす風の音です。人の声はほとんど聞こえず、都会の雑踏が一気に遠ざかっていくように感じました。

登山道のスタート地点は木々に囲まれ、地面はしっとりと湿っていますが、足元は木道や丸太の階段で丁寧に整備されています。苔むした岩や湿原植物が目を楽しませてくれて、登山というより“森を歩く”といったほうがしっくりくるような、緩やかで心地よい傾斜が続いています。

時おり登山者とすれ違いますが、それもごくわずかです。聞こえるのは自分の足音と、川のせせらぎだけ。時刻は午前10時台で、木漏れ日が道を優しく照らし、光と影のリズムがとても美しいです。立ち止まって深呼吸をするたびに、空気の冷たさと澄んだ香りが体に染みわたっていきます。

道中には小さな滝のような流れもあり、立ち止まって眺めるだけで自然の豊かさが伝わってきます。風景に変化があるため、同じような森の道でも飽きることがありません。

一ノ瀬から三平峠まではおよそ1時間です。きつい登りはなく、全体的に緩やかで一定のペースで歩き続けることができます。途中にはベンチも設置されており、初心者の方でも安心して進めます。やがて木々の間から明るい空が見えてきて、尾瀬沼への入り口である三平峠(さんぺいとうげ)にたどり着きます。

このあたりまで来ると、風の流れが変わったように感じます。湿った森の空気から、どこか開けた湖の気配へと移り変わり、尾瀬沼まであと少しという期待が高まります。山を歩いているというよりも、自然の静けさの中に溶け込んでいくような、そんな感覚に包まれていました。
森に包まれた木道と小川|三平峠を越えて尾瀬沼へ
三平峠を越えて下っていくと、視界がふっと開ける瞬間が訪れます。そこが「三平下(さんぺいぐ)」です。木道が広がり、目の前に現れるのは、深い緑の中にたたずむ静寂の湖――尾瀬沼。その静けさと美しさに、思わず立ち止まってしまいます。

この辺りから木道が続き、左手にはずっと尾瀬沼が寄り添ってきます。朝の光が湖面に反射し、風が吹くたびに水がゆらぎ、光の粒がきらきらと踊ります。沼の周囲には湿原植物が点在し、静かに夏の訪れを告げていました。

湖岸沿いの木道をさらに進むと、「尾瀬沼休憩所」に到着します。木造の落ち着いた建物で、休憩スペースやトイレ、飲料の販売なども整っており、ここで小休止する登山者が多く見られます。展望デッキからは尾瀬沼を真正面に一望でき、その風景はまるで一枚の絵画のような美しさです。

屋根のあるベンチでは軽食をとる人や、ザックを降ろして足を休める人の姿があり、それぞれが思い思いの時間を過ごしていました。尾瀬を歩く人々にとって、この休憩所はまさに“オアシス”のような存在です。

休憩所からさらに歩を進めると、湖畔に沿って続く木道が現れ、次なる目的地である「尾瀬沼ヒュッテ」へとつながる道のりに入っていきます。朝の光が差し込む静かな湖面と、風にそよぐ木々の音だけが耳に残り、尾瀬の静寂と美しさが凝縮されたような時間が、ここに流れていました。

湖畔でひと休み|尾瀬沼休憩所の絶景と癒しの時間
尾瀬沼休憩所を後にし、湖畔沿いの木道を進んでいくと、周囲の静けさはいっそう深まります。空はどこまでも高く、湿原を包み込むように広がる草木の香りが、歩くたびにふわりと漂ってきます。ここからは、「尾瀬沼ヒュッテ」まで続くおだやかな木道歩きが始まり、心地よい自然との対話が続いていきます。

この区間は標高差も少なく、平坦な木道が続いています。歩くたびに木道がきしむ音が足元から伝わり、周囲では鳥たちのさえずりが静かに響きます。時おりすれ違う登山者のやさしい挨拶が、まるで旅にリズムを添えるようで、心がほどけていくようなひとときが流れていきます。

途中、湖岸に近づくポイントでは、尾瀬沼の水面がまるで鏡のように空と森を映していました。風のない朝の時間帯はとくにその美しさが際立ち、息をのむような静けさと透明感に包まれて、立ち止まらずにはいられませんでした。


やがて視界の奥に山小屋らしき建物が現れてきます。これが尾瀬沼北岸に建つ「尾瀬沼ヒュッテ」です。木造のぬくもりが感じられる外観は、まるで絵本の中のロッジのようなたたずまいで、尾瀬の自然にしっくりと溶け込んでいます。日帰りの私にとっては立ち寄り場所ですが、ここに泊まる登山者にとっては特別な一夜となることでしょう。

尾瀬沼ヒュッテは、尾瀬沼の西岸に建つ趣のある山小屋。今回は日帰りだったため宿泊はしていませんが、立ち寄りで外観の美しさとその周囲の静けさを堪能しました。ヒュッテ前の広場からは尾瀬沼越しに燧ヶ岳(ひうちがたけ)を望むことができ、まさに尾瀬沼ハイキングのハイライトともいえる絶景スポットです。

尾瀬沼ヒュッテの周辺には、ベンチや案内板が整備されており、登山客にとって格好の休憩スポットとなっています。案内板には周辺の登山ルートが分かりやすく示されており、これからの行動を計画するのに便利です。
ここを拠点として、長英新道や燧ヶ岳(ひうちがたけ)方面への本格的な登山を目指す人も多く、静かな中にも活気が感じられる場所です。情報交換や地図の確認をしている登山者の姿が目立ち、尾瀬を深く楽しむための“起点”のひとつとなっているのがこのヒュッテ周辺なのです。



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尾瀬ビジターセンターで知る自然の魅力
尾瀬沼ヒュッテのすぐ近くには、尾瀬ビジターセンターがあります。2020年代にリニューアルされたとみられ、木の温もりを活かした内装が心地よく、とても清潔でモダンな印象でした。無料で開放されており、冷房も効いていて夏場の休憩にも最適です。

館内には尾瀬に関する詳しい情報が多数展示されていて、動植物の解説や、過去の歴史、登山マナーなどをわかりやすく学ぶことができます。展示資料も美しく、尾瀬に関心が湧いた方にはぜひ立ち寄ってほしい場所です。


トイレも完備されていてとても清潔。尾瀬の中心拠点として、情報収集にも、体力回復にもありがたい存在です。次に尾瀬を訪れる際には、ここを起点にもう一度じっくり歩いてみたくなる、そんな拠点でした。

ビジターセンターから沼尻休憩所へ――静けさに包まれた湖畔歩き
ビジターセンターを後にし、尾瀬沼の北側をたどる形で沼尻休憩所を目指しました。尾瀬沼をぐるりと回るこの道は、前半の観光客の多さとは打って変わって、ほとんど人の姿がなく、まさに「静寂のトレイル」。

アップダウンは少なく、歩きやすい木道が続いているものの、道のりは長め。だんだんと疲労が蓄積してくる中、湖面に映る空や、林のすき間から見える沼の表情が、いいペースメーカーになってくれます。

途中、小さな流れをいくつも渡ります。橋や丸太道も整備されており、自然の中に人の工夫がさりげなくなじんでいました。

約1時間ほどで沼尻休憩所に到着。ベンチやトイレが整っており、再び休憩できるのがありがたいポイントです。ここまで来ると登山者の数もさらに少なくなり、まるで尾瀬を独り占めしているような気持ちにさせてくれました。

静けさに包まれる沼尻休憩所でひと息

尾瀬沼の東端に位置する沼尻休憩所に到着したのは、ちょうど昼下がりの時間帯でした。人気のある尾瀬ヶ原とは異なり、尾瀬沼エリアは全体的に人の気配が少なく、特にこの沼尻付近はさらに静けさが際立っていました。木々に囲まれた建物は、どこか懐かしさと落ち着きを感じさせるたたずまい。

ここで少し長めの休憩をとり、水分を補給しながらベンチで湖を眺めて過ごしました。気温は上がっていたものの、木陰に入ると風が涼しくて気持ちよく、体力も気分もリフレッシュされる瞬間でした。
建物の中には、昔ながらの売店や簡易的なテーブル席もありましたが、営業はされておらず静寂の中に自然音だけが響いていました。尾瀬の「秘境感」を味わうなら、この沼尻が一番かもしれません。

尾瀬沼ハイキングを終えて──静けさと癒しをくれる道
2025年6月末、梅雨の合間の晴れ間をぬって歩いた尾瀬沼ハイキング。日帰りながら、たっぷりと自然の優しさと広がりに包まれた一日でした。歩行距離は約14km、所要時間は休憩込みで約6時間。しっかりとした登山装備と早めの出発があれば、無理なく楽しめるルートです。
今回歩いた大清水から尾瀬沼をぐるりと巡るコースは、静かに尾瀬を楽しみたい人に最適。鳩待峠側の賑やかさとは異なる、落ち着いた自然との対話がここにはあります。
これから尾瀬を訪れる方には、登山アプリの活用と天候・装備チェックの徹底をおすすめします。なお、今回紹介したルートは木道も多く、雨後は特に滑りやすいため注意が必要です。
次回は、三平峠を越えて沼山峠方面や、尾瀬ヶ原方面への縦走にも挑戦したくなりました。
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