会津駒ヶ岳から中門岳へ|滝沢登山口から歩いた湿原と池塘の山旅記

会津駒ヶ岳のイラスト
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2025年9月6日、福島県檜枝岐村の会津駒ヶ岳に登り、山頂を経て中門岳まで足を延ばしました。滝沢登山口からスタートした道のりは急な登りが続きましたが、駒の小屋に到着すると目の前には池塘と湿原の美しい景色が広がりました。山頂の達成感と中門岳の静かな湿原の魅力は心に残るものでした。

下山後は道の駅尾瀬檜枝岐の温泉で汗を流し、「バンガロー白樺」に宿泊。これまでで最も心に残る登山となりました。会津駒ヶ岳は檜枝岐村を代表する名峰で、湿原の美しさが特徴の山です。今回は登り約4時間、下り約3時間半の行程で、中門岳までの充実した山旅を楽しみました。澄んだ池塘や広がる稜線、下山後の温泉と宿泊まで、すべてが素晴らしい経験でした。

目次

登山口までの道のり

2025年9月6日、この日は会津駒ヶ岳登山のスタート地点である滝沢登山口を目指しました。上の駐車場が混雑することを想定して、最初から下にある運動場に車を停めることにしました。朝の時点で数台の車が駐車していました。

道中には尾瀬国立公園を示す標識や案内板があり、安心して歩くことができます。

登山口を案内する大きな標柱。車道からもよく見えます

駐車場から登山口までは徒歩で20分弱。樹林帯の中を抜ける舗装路で、沢沿いを進むため水音が心地よく響きます。

沢沿いの道。苔むした岩と水の流れが涼しげです
樹林帯の中の舗装路。緑のトンネルを抜けるように進みます
登山口に設置されたトレッキングマップ。コースタイムや水場の位置も確認できます

やがて木製の標柱が現れ、登山口に近づいたことがわかります。

駐車場と登山道を示す木の道標
上の駐車場はすでに満車でした。

滝沢登山口には登山ポストが設置されており、木製の階段を上って本格的な山道が始まります。

滝沢登山口の木階段。ここからいよいよ登山開始

こうして野球場駐車場から歩き出し、近道を経由して約20分弱で滝沢登山口に到着しました。自然の音と緑に包まれながら、いよいよ会津駒ヶ岳登山の第一歩を踏み出しました。

会津駒ヶ岳の登山を計画する際には、
最新の地図を持参することが安心につながります。
尾瀬や燧ヶ岳とあわせて掲載された登山地図はルート確認に必須です。


滝沢登山口から休憩地点まで

滝沢登山口からは木製の階段を上り、本格的な山道に入ります。序盤はブナやミズナラの森の中を進み、道はやや急で、木の根が張り出した登りが続きます。1時間半ほど歩いたところで、ちょうどベンチの並ぶ休憩地点に到着しました。ここまでで標高はおよそ1,600mを超え、汗がしっかり流れるほどの登りでした。

序盤の樹林帯は木漏れ日が美しいが、急登が続きます
休憩地点手前の登山道。勾配はきついまま続きます
所々で見える青空。景色の変化が疲れを和らげます
休憩地点のベンチ。腰を下ろし一息つける場所です

今回特に感じたのは、トレッキングポールのありがたさです。普段はあまり使わないのですが、今回は支えがあることで足への負担が大幅に減り、息を切らしながらもそれほど疲弊せずにここまで登ることができました。

トレッキングポールを使用。膝や太ももへの負担がかなり軽減されました

急登の続く会津駒ヶ岳では、
トレッキングポールが本当に役立ちます。
特に軽量タイプは長時間の登山で差が出ます。


次の休憩スポットへ

最初の休憩地点からさらに40分ほど歩くと、次の休憩スポットに到着しました。ここまで来ると標高も上がり、森の雰囲気も変わってきます。木道が整備された区間や、足元にゴツゴツした石が増える区間など、変化に富んだ道のりが続きました。

樹木に大きく広がるキノコ、自然の造形美に目を奪われます。

途中、樹木に大きなキノコが張り付いているのを発見。まるで自然が作り出したオブジェのようで、歩き疲れた体を癒してくれる小さな発見です。青空の下、緑の斜面と遠くの山並みを望める場所もあり、足を止めて深呼吸するだけで達成感を感じられました。

キレートレモンを補給、酸味が体をシャキッとさせてくれます。

そして、この日の行動食・ドリンクとして用意していたのが「キレートレモン クエン酸」。酸味が爽やかで、汗をかいた体にすっと染み渡ります。実際に飲んでみると、疲労感が軽減されるようで、次の一歩を踏み出す力になりました。

山歩きの相棒におすすめしたいのが「キレートレモン クエン酸」。
疲労感をやわらげ、ハードな登山にも力を与えてくれます。
水分補給と同時にクエン酸をチャージできるので、山行中の必須ドリンクです。


整備された登山道、段差が続きペースを崩さないことが大切です。
緑の稜線が広がり、会津駒ヶ岳の大きさを実感できる風景。
木道の先に続く一本道、空の青さと対比が美しい。
休憩スポットに到着。ベンチでひと息ついて再び歩き出します。

湿原を抜けて駒の小屋へ

湿原を進むと、道端には木製の道標が立っていました。「大津岐峠 8.8km」「御池 10.1km」と書かれており、会津駒ヶ岳が広大な山域にあることを実感させます。背後には会津駒ヶ岳のなだらかな山肌が青空に映え、歩みを進める気持ちを後押ししてくれました。

道標と駒ヶ岳の稜線

少し登ると視界が大きく開け、振り返れば燧ヶ岳(ひうちがたけ)が堂々とそびえていました。尾瀬を代表する山の力強い姿に思わず足を止め、しばし見入ります。

燧ヶ岳の雄大な山容

木道のベンチに腰を下ろすと、そこには一匹のチョウが羽を休めていました。キベリタテハという高山蝶で、黒い羽に黄色の縁取りと青い斑点が美しく、登山道の静かな時間を一層印象的にしてくれました。

木道にとまるキベリタテハ

周囲を見渡せば、湿原には夏の花々が咲き競っていました。白い小花を球状に咲かせるイワショウブが風に揺れ、まるで星の群れのようです。

イワショウブの白い花

さらに足元にはリンドウの青紫色の花が凛として咲いており、高原の爽やかさを際立たせていました。

可憐に咲くリンドウ

そして、ついに前方の草原の中に赤い屋根が小さく見えてきます。駒の小屋です。笹原と湿原の広がる緑の斜面に建つその姿は、まるで天空に浮かぶオアシスのよう。ここまでの疲れを忘れさせる瞬間でした。

緑の高台に建つ駒の小屋

駒の小屋から山頂まで

駒の小屋で休憩を終え、いよいよ山頂を目指します。小屋の姿を振り返ると、真夏の太陽がまっすぐに照りつけ、木造の建物を神々しく照らしていました。

強烈な日差しに包まれる駒の小屋。ここから山頂まではあとわずかです。
駒の小屋で販売されていた飲み物。山頂価格らしく少し高めですが、冷えたドリンクは登山者に大人気です。
駒の小屋近くの小さな池。

駒の小屋の周辺には、小さな池塘(ちとう)がいくつも点在していました。水面を覗くと、オタマジャクシやヤゴがゆったりと泳いでいて、標高の高いこの場所にもしっかりと命の営みが息づいているのを感じます。

池の中をのぞくと小さなオタマジャクシが泳いでいました

池のほとりには木製のベンチが設置されており、多くの登山者が腰を下ろして食事を楽しんでいました。おにぎりや行動食を頬張りながら、沼を渡る風に吹かれていると、ここまでの疲れが一気に癒やされるようでした。

池塘のほとりのベンチでは、登山者が思い思いに休憩していました

小屋を後にして山頂を目指すと、すぐに木道が続く登りに差しかかります。空は澄み切った青、そして足元には緑の草原が広がり、夏山らしいコントラストが鮮やかでした。

会津駒ヶ岳山頂に向けて延びる木道

やがて視界の先に「会津駒ヶ岳山頂」と刻まれた木製の標柱が現れます。

標高2,133mを示す会津駒ヶ岳山頂の標柱

山頂は狭く、木々に囲まれているため展望は限られています。しかし、多くの登山者が集い、達成感を噛みしめる表情を浮かべていました。ここでは景色よりも「たどり着いた喜び」をしっかり味わう時間となりました。

中門岳とその先へ

駒ヶ岳山頂から木道を辿って歩くと、やがて視界が大きく開け、中門岳の湿原へとたどり着きました。ここには大小さまざまな池塘が点在し、青空を映すその姿はまるで宝石のように輝いています。中でもハート型に見える池塘は特に印象的で、訪れる人の心を和ませていました。

中門岳周辺から望む山並み。奥行きある会津の山々がどこまでも広がる。
ハート形に見える池塘。澄んだ水面に夏空が映る。

やがて足元には白い花を咲かせる草原が現れ、景色に柔らかな彩りを添えていました。振り返れば、歩いてきた道と共に、遠くの山影が鮮やかに浮かび上がっています。

キャプション:白い高山植物が咲き誇る草原。背景には山々と青空のコントラストが広がる。

やがて「中門岳」と刻まれた標柱が現れ、ここが目的地に着いたことを実感させてくれます。背後には池塘と青空が広がり、まさに湿原のシンボルのような景観です。

中門岳の標柱。池塘のほとりに立ち、訪れる人々を迎える。

しかし道はここで終わりではありません。木道はさらに先へと延び、歩みを進めると休憩にぴったりの開けた場所に出ました。池塘のそばで腰を下ろし、持参したお弁当を広げたり、静かな景色を眺めたりする登山者の姿が見られます。

中門岳を越えた先の休憩ポイント。池塘のそばでひと休みする登山者たち。

風に揺れる湿原の草花、澄んだ水面に映る空、そして心地よい静けさ。中門岳からその先の道は、登山の疲れを癒す穏やかな時間を与えてくれる特別な場所でした。

山歩きには身軽に使えるアウトドア小物が欠かせません。
檜枝岐村のふるさと納税返礼品には、
職人が一つひとつ手作りしたサコッシュや
ポーチのセットがあり、登山のお供にぴったりです。


下山後の温泉と宿泊

下山を終えて16時ごろ、駐車場へと戻ってきました。達成感と心地よい疲労を抱えながら、近くの道の駅「尾瀬檜枝岐(おぜひのえまた)」へ立ち寄ります。ここでは温泉に浸かることができ、登山で汗をかいた体を癒してくれました。

夕方の静かな駐車場に戻ってきた
道の駅の案内看板。温泉や交流センターが併設されている
道の駅尾瀬檜枝岐(ひのえまた)の駐車場、登山客でにぎわう
尾瀬の郷交流センター。観光拠点として利用できる
敷地内に設置された案内板
アルザ尾瀬の郷。登山帰りの温泉が人気

その日の宿泊は「バンガロー白樺」。素朴な雰囲気の建物で、山の余韻を味わいながら静かな夜を過ごしました。

バンガロー白樺の外観。木立に囲まれた小さな宿泊施設
バンガロー室内の様子。シンプルな空間で一夜を過ごす

翌日は周辺観光を楽しみ、宇都宮へと帰路につきました。湿原の豊かさと山上の池塘の美しさは心に強く残り、会津駒ヶ岳はこれまで登った山の中で一番のお気に入りとなりました。

檜枝岐村に宿泊するなら、
ふるさと納税の宿泊券を活用するのもおすすめ。
村内の宿泊施設で使えるので、登山後の滞在をお得に楽しめます。


まとめ

今回の山旅では、会津駒ヶ岳登山を滝沢登山口からスタートし、池塘が美しい湿原を経て山頂、さらに中門岳まで足を延ばしました。道中には駒の小屋や池塘群が点在し、まさに「天空の楽園」と呼ぶにふさわしい景色が広がっていました。特に湿原の広がりは、これまで登った山の中でも際立って印象的で、会津駒ヶ岳は一番のお気に入りの山となりました。

下山後は、道の駅尾瀬檜枝岐で温泉に浸かり疲れを癒し、宿泊は「バンガロー白樺」にて。山小屋風の素朴な雰囲気と静かな環境で一夜を過ごしました。翌日は檜枝岐温泉街の観光を楽しんでから宇都宮へ帰路に。

アクセスも比較的分かりやすく、登山口駐車場や温泉施設も充実しているため、これから会津駒ヶ岳登山を計画する方にはぜひおすすめしたいコースです。湿原や高山植物を楽しみながら、中門岳までの縦走も含めた充実した山行をぜひ体験してみてください。

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