2025年11月2日、秋晴れの霧降高原(きりふりこうげん)を歩いてきました。
紅葉シーズンの終盤、静けさが戻った高原は、落葉と笹原が織りなす金色の世界。
名物の「天空回廊(1445段)」を登りきり、丸山(まるやま)山頂から八平ヶ原(やっぺいがはら)へと続くルートを約3時間で歩きました。
駐車場は混雑していましたが、快晴の空と晩秋の光に包まれた霧降高原は、まさに“静寂の紅葉トレッキング”。
この記事では、実際に歩いたルートの様子と紅葉の見どころを、写真とともに紹介します。
紅葉シーズンの霧降高原へ――登山口の朝
2025年11月2日、秋晴れの霧降高原(きりふりこうげん)を訪れました。
朝の気温はおよそ10度前後。風は穏やかで、長袖Tシャツに薄手のウインドブレーカーでも十分に歩ける快適な気候でした。
青空の下に連なる日光連山がくっきりと浮かび上がり、紅葉の残りが朝日に照らされて輝いていました。

スタート地点は「霧降高原レストハウス」。
しかし、この日は紅葉シーズンの週末ということもあり、朝8時過ぎにはすでに駐車場が満車に近い状態でした。
停められるスペースは次々と車で埋まり、道路沿いには路上駐車の列ができていました。
「この人気ぶりなら、もう少し駐車場を広げてほしいな」と感じたほどです。
幸い、自分はタイミングよく1台分の空きに滑り込み、なんとか駐車成功。

登山準備を整え、案内板でルートを確認します。
今回歩くのは、霧降高原レストハウスから「天空回廊(てんくうかいろう)」を登り、小丸山展望台を経て丸山山頂へ、
さらに八平ヶ原(やっぺいがはら)を通って戻る周回コース。
全体で約3時間弱のトレッキングです。
空気はひんやりと澄み、遠くに広がる関東平野がかすんで見えるほど。
しんとした静けさの中、木々の間から差し込む光が登山道を黄金色に染めていました。

まさに、“晩秋の霧降”という言葉がぴったりの朝でした。
これから挑む1,445段の階段「天空回廊」を見上げながら、
「今日はどんな景色に出会えるだろう」と胸が高鳴ります。
天空回廊(1445段)を登る――紅葉と青空のコントラスト
霧降高原のシンボルといえば、なんといってもこの「天空回廊(てんくうかいろう)」。
丸山トレッキングコースの序盤を彩る、全長800メートル・階段1,445段の木製遊歩道です。
登り始めるとすぐに足が熱くなり、朝の冷気が心地よく感じられるほど。
息が上がるペースの中、振り返るたびに見える紅葉の名残と青空の対比が美しく、まるで絵画のようでした。

序盤は傾斜がゆるやかで、足取りも軽やか。
階段の両脇にはススキが揺れ、ところどころに名残のモミジやカエデが赤く彩りを添えていました。
空気は澄みきり、下界の街並みが遠くかすむほど。
ときおり吹く風が心地よく、木々の間から差し込む光が階段を黄金色に染めていました。

階段の途中には小さなベンチがあり、休憩しながら周囲の景色を眺める登山者も多く見られます。
ここまで来ると、紅葉はだんだん少なくなり、代わりに笹原の緑と空の青が際立ってきます。
風が抜けるたびに笹がさわさわと音を立て、秋の終わりを告げるような静かな音が響きました。

階段が1,200段を越えるあたりから傾斜がきつくなり、足が重くなってきます。
そんな時に気づくのは、背中の荷物の重み。
ペットボトルとカメラだけでも、長い階段では意外と負担になります。
登山中、こうした“揺れる荷物”を抑えてくれるのが、軽量トレイルラン用ザック 「YURENIKUI SETARO(ユレニクイ・セタロー)」。
フィット感が高く、長い階段の登り下りでも荷物が体に密着して揺れにくい設計です。
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最後の数百段を登りきると、「1445段到達!」のプレートが現れます。
視線の先には、黄金色に光る笹原と、その向こうに続く丸山の稜線。
まるで雲の上を歩いているような、爽快な達成感に包まれます。

丸山山頂(1,689m)からの絶景――晩秋の空と関東平野を望む
天空回廊(てんくうかいろう)を登り切り、木製の階段を抜けると、丸山(まるやま)への稜線が目の前に広がります。
ここからは一気に視界が開け、緩やかな笹原の丘陵と、その先に続く青空のラインが美しく調和していました。

小丸山(こまるやま)展望台を通過すると、丸山山頂まではおよそ15分ほどの道のり。
道はなだらかで歩きやすく、木の根や石段も少ないため、初心者でも安心して進めます。

やがて、丸山山頂(標高1,689メートル)に到着。
木製の山頂標柱とベンチが設置されており、関東平野を一望できる絶好のビューポイントです。
この日は快晴で、遠くに筑波山、男体山(なんたいさん)、女峰山(にょほうさん)まで見渡せる抜群の視界。
雲ひとつない青空の下、紅葉の終わりかけた山肌が金と茶に染まり、どこか冬の気配を帯びた穏やかな風景でした。


山頂には先客が2〜3組ほど。皆、静かに風景を眺めながら、言葉少なに休憩していました。
ベンチに腰を下ろして一息つくと、登りで火照った体を冷たい風が心地よく冷ましてくれます。
下界の喧騒を忘れさせてくれるような、静かな時間――。
紅葉の名残と冬枯れの稜線が織りなす景色を目に焼きつけて、次の目的地・八平ヶ原(やっぺいがはら)へと向かいました。

八平ヶ原(やっぺいがはら)――風が渡る笹原の静寂
丸山山頂を後にし、八平ヶ原(やっぺいがはら)方面へと下ります。
このあたりから木々の紅葉はすっかり落ち、黄金色に染まった笹と白樺の並木が静かに立ち並ぶ、晩秋の光景が広がっていました。
空の青、笹の金、木の白――自然が描くグラデーションが、まるで一枚の絵のように美しかったです。

歩きながら何度も足を止めては、景色を振り返りました。
風にそよぐ笹が波のように揺れ、日差しが角度を変えるたびに色が移り変わる。
耳を澄ませば、遠くでカケスの鳴く声と、笹の擦れる音だけが響いていました。
3時間弱のトレッキングの中でも、この八平ヶ原がもっとも心に残った場所です。

この日は快晴で、雲のない青空が広がり、遠く那須連山まで望むことができました。
それでも周囲にはほとんど人影がなく、まるで自分だけの高原を歩いているような感覚。
紅葉の華やかさは過ぎたけれど、その静けさの中に、確かに“秋の終わりの美しさ”がありました。

黄金色の笹原を背に、心地よい疲労とともに、ゆっくりと下山しました。

霧降高原トレッキングを終えて――晩秋の静けさに包まれて

八平ヶ原(やっぺいがはら)の広がりを抜け、笹原の道をゆっくりと下っていくと、
やがて朝に出発した登山口が見えてきました。
時計を見ると、歩き始めてからおよそ2時間50分。
今回の丸山トレッキングコースは、整備が行き届いており、危険な箇所も少なく歩きやすいルートでした。
紅葉の盛りを過ぎた11月上旬でも、澄んだ空気と静寂の中で秋の名残を味わえるのが魅力です。
そして何より印象に残ったのは、八平ヶ原で感じた“風の音だけが響く時間”。
自然と向き合いながら歩くことで、季節の移ろいを肌で感じられる――そんな3時間でした。
霧降高原は、春から夏にかけてはニッコウキスゲが咲き誇り、また違った表情を見せるといいます。
今回歩いたルートも、季節を変えて何度でも訪れたくなるような魅力にあふれていました。
晩秋の柔らかな陽光と、静かな風が残した記憶を胸に、
「次は新緑の季節にもう一度来よう」と心に決めながら、霧降高原を後にしました。

