多気山と多気不動尊|宇都宮で1時間の癒し登山と厄除け参拝【御朱印あり】

1時間で心が整う、宇都宮の癒しスポット。 登って、祈って、深呼吸――多気山と多気不動尊で、自然と静寂に包まれる時間を。
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2025年10月12日、宇都宮市の多気山(たげさん)と多気不動尊(たげふどうそん)を訪れました。
秋晴れのなか、登山と参拝をあわせて所要およそ1時間
標高377mの里山ながら、山頂からの眺望と由緒ある寺院の静けさが楽しめる人気のコースです。
短時間でも自然と信仰の両方を感じられる「宇都宮の癒しスポット」を詳しく紹介します。

目次

秋晴れの多気山を歩く ―― 1時間で味わう里山の魅力

2025年10月12日、宇都宮市の多気山(たげさん)を訪れました。朝からよく晴れ、空は澄み渡り、登山には申し分のない天気でした。気温は高めで、半袖でも快適。秋風が木々を揺らし、どこか穏やかな時間が流れていました。

多気山不動尊駐車場入口。キバナコスモスが咲き誇り、秋らしい雰囲気に包まれています。

登山口は多気不動尊の駐車場のすぐそば。アクセスが良く、気軽に立ち寄れるのも魅力です。参道沿いには茶屋があり、焼きだんごやいも串などの香ばしい匂いが漂っていました。

参道脇の茶屋。登山や参拝の前に一息つける地元の人気店です。

案内板のある分岐を左に進むと、山頂へと続くルート。右へ行けば多気不動尊の境内へ向かいます。整備された登山道は緩やかで、初心者でも安心して歩けます。

登山口の分岐点。左が山頂、右が多気不動尊への参道です。

杉林の中を抜けると、木漏れ日が差し込み、鳥の声が響く静かな道になります。舗装路ではないものの、階段や踏み固められた土の道が続き、スニーカーでも問題ありません。

杉木立に囲まれた登山道。木漏れ日の中をゆっくり進みます。

10分ほど歩くと、次第に視界が開け、尾根道に差しかかります。ここからは空が広くなり、秋の光がやわらかく降り注ぎました。

尾根に出ると景色が一変。木々の間から宇都宮の街並みが垣間見えます。

登り始めておよそ20分、御殿平(ごてんだいら)に到着しました。ここはかつて宇都宮氏の支城・多気城(たげじょう)の本丸があった場所で、現在は芝生の広場として整備されています。

御殿平の広場。かつて多気城の本丸跡だった場所です。
多気城跡の碑。宇都宮の歴史を静かに伝えています。

さらに進むと標高377mの山頂に到着しますが、視界はあまり開けていません。

多気山山頂(標高377m)。短時間で登れる里山として人気です。
山頂からの眺望。宇都宮市街が眼下に広がり、空気が澄んだ日は絶景が楽しめます。

休憩を含めても往復1時間ほど。軽い運動とリフレッシュを兼ねて歩くにはちょうど良い距離でした。静かな自然の中で心が整い、次第に下界の喧騒が遠のいていく感覚がありました。

このあと、山のふもとにある多気不動尊(たげふどうそん)へ向かい、厄除け祈願と御朱印をいただきました。

多気不動尊で心を鎮める ―― 厄除けと静寂の祈り

山頂からの眺めを楽しんだあと、参道を下って多気不動尊(たげふどうそん)へ向かいました。正式名称は多氣山持宝院(じほういん)。真言宗智山派に属する古刹で、平安時代の弘仁十三年(822年)に日光開山の祖・勝道上人の弟子、尊鎮法師(そんちんほうし)によって開かれたと伝わります。創建当初は馬頭観音を本尊としていましたが、のちに宇都宮氏九代・藤原公綱(ふじわらのきんつな)によって不動明王が祀られ、現在では厄除け・家内安全・交通安全のご利益で知られる宇都宮屈指の霊場です。

本堂。静寂と祈りが交わる、多気不動尊の象徴的な場所です。

本堂へと続く石段には、赤い幟(のぼり)が整然と並び、緑の木々とのコントラストが見事でした。風が吹くたびに幟が揺れ、陽の光が差し込むと、朱と緑がきらめき合う美しい光景になります。

本堂へと続く石段。朱の幟が風に揺れ、祈りの場へと導きます。

石段の途中には、弘法大師(こうぼうだいし)像が鎮座しています。苔むした石肌と柔らかな光が調和し、訪れる人々が静かに手を合わせていました。長年この地で信仰を見守ってきたその姿は、厳かでありながらも温かさを感じさせます。

弘法大師像。苔むした石像が、長い歴史と信仰の深さを伝えます。

さらに下ると、水子供養地蔵尊が並びます。赤い前掛けをつけた地蔵たちが整然と立ち並び、手を合わせる人の姿がありました。昭和五十三年(1978年)に建立されたもので、いまも多くの参拝者が花や灯を手向けに訪れています。

水子供養地蔵尊。穏やかな表情の地蔵が参拝者の祈りに寄り添います。

参拝を終え、授与所で御朱印をいただきました。墨書で力強く書かれた「不動明王」の梵字には炎のような勢いがあり、多気不動尊の霊気そのものを感じさせます。

多気不動尊の御朱印(2025年10月12日)。筆勢に宿る力が印象的です。

多気不動尊の御朱印は墨と朱のコントラストが鮮やかで、
黒地に金の不動明王をあしらった御朱印帳がよく似合います。


昼下がりの境内は、まるで時間が止まったかのような静けさでした。鳥の声と木々のざわめき、幟のはためきが重なり合い、自然と祈りが一体となるような感覚に包まれます。

御朱印帳を大切に持ち歩く人には、
専用ポーチもおすすめです。
登山や護摩祈祷の際に御朱印帳を守り、
持ち運びにも便利です。


1時間で心が整う ―― 多気山と多気不動尊の魅力まとめ

多気山(たげさん)と多気不動尊(たげふどうそん)は、登山と参拝のどちらも短時間で楽しめる、宇都宮ならではの癒しのスポットです。標高377メートルの多気山は、片道20〜30分ほどで山頂へ到達できる手軽さながら、山頂からは宇都宮市街や筑波山を望む雄大な景色が広がります。

山頂からの眺望。宇都宮市街が眼下に広がり、天気の良い日は筑波山も見えます。

登山を終えてそのまま訪れる多気不動尊は、静けさの中に力強い祈りが宿る場所です。杉木立に囲まれた参道、朱色の幟(のぼり)、そして堂内の不動明王。華やかさよりも、心を鎮める落ち着いた雰囲気が印象的でした。厄除けや家内安全の祈願だけでなく、日々の心を整える場として訪れる人も多いのもうなずけます。

多気不動尊の山門。長い年月を経た木の風合いが、静かな信仰を物語ります。

登山と参拝を合わせてもわずか1時間。忙しい日常の中でも、自然と信仰の両方を感じられる時間は貴重です。多気山の爽やかな空気と多気不動尊の荘厳な静けさが、心をゆっくりと整えてくれます。

多気山と多気不動尊は、長い歴史を持ちながらも、訪れる人にとって親しみやすい存在です。ほんの1時間の滞在でも、自然と祈りの調和に触れることで、心の中に静かな余韻が残る――。そんな体験ができる場所でした。

📍 多氣山不動尊(多氣山持宝院)駐車場
321-0343
栃木県宇都宮市田下町563(でんげちょう 563)

  • 参道入口のすぐ手前(本堂まで徒歩約3分) に無料駐車場があります。
  • 普通車:約40台前後駐車可能。大型バスも数台分のスペースあり。
  • 舗装済みの平地駐車場で、登山口・多気不動尊の両方にアクセスできます。
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