浪江町観光モデルコース|道の駅なみえ・請戸小学校・伝承館で復興と震災の記憶をめぐる旅

震災遺構・請戸小学校を漫画調で描いた横長イラスト。青空の下に校舎が描かれ、「震災遺構 請戸小学校|命をつなぐ奇跡の避難」というコピーが配置されている。
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2025年8月15日、福島県浪江町を訪れました。東日本大震災から14年が経ち、復興のシンボルである「道の駅なみえ」や、震災遺構として保存されている「請戸小学校」、震災と原発事故を学ぶ「東日本大震災・原子力災害伝承館」をめぐり、グルメや伝統工芸に触れながら、震災の記憶と未来への希望を感じる旅となりました。本記事では、浪江町で実際に体験した観光スポットとおすすめの楽しみ方を写真とともに紹介します。

目次

訪問日と旅の概要

2025年8月15日、福島県双葉郡浪江町を訪れました。浪江町は福島第一原子力発電所事故により一時全町避難を余儀なくされましたが、徐々に帰還や復興が進み、震災遺構や道の駅、伝統工芸などを通じて「震災の記憶」と「新しいまちの姿」に触れることができます。今回の旅では、道の駅なみえでのグルメ、請戸小学校の震災遺構、そして東日本大震災・原子力災害伝承館をめぐり、最後に浪江町の伝統工芸「大堀相馬焼」に触れました。

観光の拠点となるのは「道の駅なみえ」。地元グルメや特産品が並ぶ人気スポットで、震災以降の浪江町のシンボルのひとつとなっています。そこから請戸地区へ移動すると、東日本大震災で大津波に襲われた「請戸小学校」が震災遺構として保存されており、当時のままの校舎を見学することができます。さらに隣町の双葉町には、震災と原子力災害の教訓を伝える「東日本大震災・原子力災害伝承館」もあり、未来に向けて学びを深めることができるのです。

今回の訪問では、多くの人々がそれぞれの想いを胸に訪れており、浪江町が「学び」と「復興」の場として新たな役割を果たしていることを強く感じました。

震災遺構として保存されている浪江町立請戸小学校。津波の爪痕が今も残る
観光と復興の拠点「道の駅なみえ」

この旅の記録を通じて、震災の記憶を風化させないこと、そして地域の新しい魅力を伝えることを目的としています。

道の駅なみえ|浪江焼そばとラッキー公園

浪江町観光の拠点として人気を集めるのが「道の駅なみえ」です。2020年にオープンして以来、復興のシンボルとして町内外から多くの人が訪れています。館内にはレストランや物産コーナー、陶芸体験施設などがあり、浪江町ならではの魅力に触れることができます。

中でも一番の名物は、B級グルメで全国的にも知られる「浪江焼そば」です。通常の約3倍もある極太麺を、豚肉ともやしと一緒にラードで炒め、濃厚なソースで仕上げたボリューム満点の一品。道の駅では定食スタイルで味わえるほか、ユニークな「浪江焼そばパン」も人気で、観光客が次々と購入していました。

極太麺とソースの香ばしさが魅力の「浪江焼そば」としらす丼セット

また、敷地内には子どもたちに大人気の「ラッキー公園」があり、ポケモンのラッキーをモチーフにした遊具で賑わっています。家族連れや観光客が集まり、活気あふれる雰囲気でした。

ポケモンのラッキーがモチーフの遊具が並ぶラッキー公園

さらに、館内に併設された「なみえの技・なりわい館」では、伝統工芸「大堀相馬焼」の展示販売や陶芸体験が行われています。私もここで青ひび模様が美しいカップを購入し、旅の記念として大切に持ち帰りました。

浪江町の伝統工芸「大堀相馬焼」。陶芸体験も可能
購入した「走り駒」が特徴の大堀相馬焼。復興の象徴として再び多くの人に愛されている伝統工芸品。

道の駅なみえは、グルメや買い物を楽しむだけでなく、復興の歩みを感じられる観光拠点となっていました。

実際に食べた浪江焼そばは、
極太麺にソースが絡んでボリューム満点でした。
浪江町まで行けない方でも、
お取り寄せで本場の味を楽しめます。


請戸小学校|震災遺構として残る「奇跡の学校」

浪江町の沿岸部に位置する請戸小学校は、東日本大震災で発生した大津波により甚大な被害を受けました。校舎は1階部分が津波にのまれ、窓や壁が破壊されるなど大きな爪痕が残されています。しかし、震災当日、教職員と児童93名全員が迅速な判断と行動によって避難し、奇跡的に命を守ることができました。その背景から「奇跡の学校」と呼ばれています。

2021年10月より震災遺構として一般公開が始まり、今では多くの人々が見学に訪れています。館内には津波で壊れた蛇口や時計、黒板に残された当時のメッセージが展示されており、震災の記憶を後世へ伝える大切な場所となっています。私が訪れた日も、多くの来場者が真剣な表情で校舎を巡り、当時の状況に思いを馳せていました。

震災遺構として保存されている請戸小学校の外観
津波にのまれた1階の様子。壁や天井が崩れたまま残されている
校庭に設置されていた大時計。津波の衝撃で大きく歪み、当時の記憶を今に伝える遺物。

見学後には記念としてポストカードを購入しました。校舎の姿をモチーフにしたその絵柄を手にすると、震災を忘れずに心に刻んでおこうという気持ちが強まりました。

請戸小学校で販売されているポストカード。震災の記憶を持ち帰ることができる

請戸小学校は、震災の悲惨さとともに「命をつなぐための判断」の大切さを学べる場所です。訪れることで、防災や減災への意識を改めて深めることができました。

東日本大震災・原子力災害伝承館|未来に伝える学びの場

浪江町の隣、双葉町にある「東日本大震災・原子力災害伝承館」は、震災と原発事故の記録を未来へ残すために建設された施設です。館内には写真や映像、被災物の展示があり、震災直後の混乱や避難生活の実態を知ることができます。訪れた日も多くの人が見学に訪れ、静かな空気の中で一つひとつの展示に目を向けていました。

特に印象に残ったのは、俳優の西田敏行さんがナレーションを務める映像展示です。優しい語り口ながらも、震災と原発事故がもたらした現実を強く心に訴えかけてきました。映像を見終えた後には、深い余韻と共に「災害を風化させてはいけない」という思いが一層強まりました。

震災と原子力災害の教訓を未来に伝える伝承館の外観

館内は単なる資料館ではなく、訪れる人が「自分ごと」として考えられるように工夫されています。避難の経緯や町の変化を知ることで、災害に備える意識や、地域の絆の大切さを改めて学ぶことができました。

「伝承館」は、震災を経験していない世代にとっても学びの場であり、未来へと教訓をつなぐ大切な役割を果たしています。

旅の記念には、大堀相馬焼を購入しました。
職人の手仕事から生まれる独特のひび模様と走り駒の絵柄は、
暮らしに取り入れると日常が特別なものになります。
大堀相馬焼はふるさと納税の返礼品としても入手できます。


まとめ|浪江町観光で感じた復興と未来へのメッセージ

今回の浪江町観光では、「道の駅なみえ」でのグルメや買い物、「請戸小学校」での震災遺構見学、そして隣町・双葉町の「東日本大震災・原子力災害伝承館」での学びを通じて、震災の記憶と復興の歩みを肌で感じることができました。どの場所にも多くの人が訪れており、浪江町が「震災を忘れない場所」と「未来に向けた新しい観光地」として歩んでいる姿に心を動かされました。

「道の駅なみえ」で人気No.1の「なみえ焼そばパン」。極太麺の焼そばがたっぷり詰まった名物商品。

グルメでは、地元の味として愛される浪江焼そばやユニークな焼そばパンに舌鼓を打ち、遊具が整備されたラッキー公園で子どもたちの笑顔に出会いました。学びの場では、請戸小学校の「奇跡の避難」の記録や伝承館での展示が、防災や減災の大切さを改めて考えるきっかけとなりました。さらに、旅の記念として手にした大堀相馬焼や請戸小のポストカードは、これからも日常の中で震災の記憶を思い返させてくれる存在になりそうです。

請戸小学校の黒板には、震災後に訪れた人々の応援や祈りの言葉がびっしりと書き込まれている。

浪江町は、震災を経験したからこそ「伝える力」と「再生する力」を持つ町でした。観光を通してその魅力に触れることは、復興への応援にもつながります。これから訪れる人にも、ぜひ足を運んで五感で体験していただきたい場所です。

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