戦場ヶ原・小田代ヶ原を歩く湿原と森のぐるっと絶景トレイル

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2025/6/29(日)に、戦場ヶ原に行ってきました。

標高1,400mの高原地帯に広がる戦場ヶ原・小田代ヶ原(おだしろがはら)は、奥日光を代表する湿原トレイル。今回は三本松駐車場を起点に、泉門池を経由して小田代ヶ原へ抜け、赤沼から三本松に戻るルートを歩いてきました。

所要時間は休憩を含めて約3時間半。途中には木道や展望デッキ、野鳥の声や湿原の草花など見どころが点在し、変化に富んだ風景に癒される散策となりました。

写真とともに、当日のルート・距離・見どころ・歩き方のポイントを徹底的にご紹介します。

 

「装備がない」「靴が不安」という方も安心。
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気軽な戦場ヶ原散策の心強い味方です!

目次

三本松から始まる、湿原と森のトレイル

今回歩いたのは、奥日光・戦場ヶ原の湿原地帯をめぐる周回コース。出発点は「三本松園地」の駐車場。広々とした無料駐車場に加え、茶屋やトイレも完備されており、初心者にも安心のスタート地点です。

朝8時すぎの三本松駐車場。すでに何台か車が停まり、トレッキングの準備をしている人たちも。

駐車場のすぐそばには「三本松茶屋」があり、地元の軽食やお土産が充実。天気が良ければ、茶屋の向こうに男体山(なんたいさん)の堂々たる姿を望むことができます。

三本松茶屋の裏手に見える男体山。天気がよければこの絶景が出迎えてくれる。

コースは三本松園地から始まり、最初の分岐を泉門池(いずみやどいけ)方面へ。案内板には現在地とルート全体が丁寧に描かれており、この時点で全体の行程をイメージすることができます。

分岐手前にある案内板。小田代ヶ原や赤沼方面へ向かう各ルートが表示されている。

このあと、湯川沿いの道を進み、徐々に森の奥へと入っていきます。木漏れ日の遊歩道と鳥の声に導かれながら、いよいよ湿原の世界へと足を踏み入れていきます。

泉門池から小田代ヶ原へ、癒しの木道トレイル

森の入口を進んでいくと、やがて木道と湯川沿いの風景が広がり始めます。戦場ヶ原のハイキングで最初に出会うこのエリアは、木々と水音に包まれた癒しの空間。夏でもひんやりとした空気が心地よく、足取りも自然と軽くなっていきます。

湯川に沿って木道が延びるエリア。水面の反射が美しく、静寂と涼しさに包まれる。

川を離れると、しばらく森の中を歩く区間に入ります。足元にはクマザサが広がり、日光を透かす葉の影が道を彩ります。勾配のない道が続くため、景色を楽しみながらのんびり歩けるのが魅力です。

森の入口へ向かう静かな道。クマザサと落葉樹に囲まれ、涼しげな空気が漂う。

そして最初のビュースポット「泉門池(いずみやどいけ)」に到着。池の周囲は開けており、ベンチや案内板もあって休憩にぴったり。風のない朝には、鏡のように空を映す美しい光景が広がります。

泉門池は湧水と鳥の声に包まれる静寂の場所。ゆっくり腰を下ろして一息つきたくなる。

さらに進むと、いよいよ湿原地帯の核心、小田代ヶ原(おだしろがはら)へ。視界が一気に開け、緩やかにカーブする木道が草原の中を通っています。遠くに見える男体山が、まるで絵の中の風景のよう。

小田代ヶ原と男体山。湿原の草が風に揺れ、夏の高原らしい爽快な風景が広がる。

そして、ひときわ目を引くのが「小田代原の貴婦人」と呼ばれる一本の白樺。湿原の中に静かに立つ姿は、季節や時間によってまったく異なる表情を見せてくれます。

まるで舞台に立つ女優のような白樺の木。小田代ヶ原の象徴的な存在。

このあたりは、写真愛好家や野鳥観察者にも人気のスポット。歩を止めて深呼吸するだけで、都会の喧騒をすべて忘れられる、そんな風景がここにはあります。

赤沼へ、静けさに包まれる森の帰路

小田代ヶ原の展望デッキを後にして、赤沼方面へ向かう下り道へ。視界は再び木々に囲まれ、クマザサが広がる林の中へと入っていきます。太陽の光が差し込むこの道は、訪れる人の足音すらも吸い込むような、静かな世界です。

背の高い木々とクマザサに包まれた帰路。木漏れ日が揺れる中、ゆっくりと森を歩く。

足元は砂利道や板敷きの道が交互に続き、歩きやすさは保たれつつも、変化に富んだ景色が楽しめます。時折現れるベンチでは、多くのハイカーが立ち止まり、深呼吸をしたり、写真を撮ったりして思い思いの時間を過ごしていました。

帰り道に設置されたベンチ。鳥のさえずりと風の音だけが聞こえる静かな時間。

赤沼へ近づくと、少しずつ人の気配が戻ってきます。赤沼茶屋やバス停のある広場では、軽食を楽しむ人や、自然情報センターを見学する観光客の姿も。ここまで戻ってくると、無事に一周歩ききった満足感が湧いてきます。

安全・快適に歩くための装備と心得

戦場ヶ原〜小田代ヶ原の周回ルートは、整備された木道と森の遊歩道が中心で、登山経験がなくても歩きやすいのが魅力です。ただし標高1,400mの高原ならではの気候や環境を考えると、装備と心構えは大切です。

まず服装は、長袖・長ズボンがおすすめです。夏でも朝晩は涼しく、直射日光や虫から肌を守る意味でも有効。帽子とサングラス、そしてレインウェア(急な雨に備えて)も忘れずに。

足元はスニーカーでも歩けますが、滑りにくい靴底のものが安心です。木道は朝露で滑りやすくなることもあるため、軽登山靴があるとより快適に歩けます。

また、熊の生息地でもあるため、熊鈴や音の鳴る小物を携帯すると安心感があります。赤沼では熊目撃情報の掲示も見かけました。

赤沼の案内板には熊目撃情報が。音の出るアイテムを持って行動しよう。

木道や分岐には案内板が整備されているため迷うことは少ないですが、マップやスマホアプリでルートを確認できるようにしておくと安心です。特に展望台周辺では、標高や植生によって天候が変わりやすくなります。

展望台からの眺め。風が強く雲の動きも早い。高原の天気は変わりやすいので注意が必要。

このトレイルは、快適に歩ける分、油断しやすい側面もあります。備えを整えておくことで、自然の中で過ごす時間をより安心して楽しむことができます。

 

登山装備、揃ってなくても大丈夫!

旅の余韻と、立ち寄りたい周辺スポット

戦場ヶ原と小田代ヶ原をめぐる約9kmのトレイルは、ゆるやかなアップダウンと変化に富んだ景色が続く、まさに“癒しの自然回廊”でした。風に揺れる草原、木漏れ日の森、鳥の声と水の音。すべてが静かに、しかし確かに心を満たしてくれます。

歩き終えた後は、赤沼の自然情報センターで戦場ヶ原の成り立ちや動植物について学ぶこともできます。展示も充実しており、大人も子どもも楽しめるスポットです。

そして、今回の締めくくりは三本松茶屋でのランチ。この日はボリューム満点のイワナ天丼(1,350円)をいただきました。高原の空気の中で食べるごはんは、格別のごちそうです。

三本松茶屋のイワナ天丼。サクサクの衣とタレの香ばしさが、歩ききった体に染み渡る。

戦場ヶ原は、ただ自然を見る場所ではなく、五感で味わい、記憶に刻む場所。季節を変えて、また何度でも訪れたくなる、そんな奥日光の名ルートでした。

 

\ 装備を借りて戦場ヶ原に出かけよう! /

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